黒に切り取られたようなフレームに静かに収まる美しい天秤です。どのパーツ、どの部分を見ても隙のない精密な作り。
ぴったりと中心に位置する針、天秤皿は床から紙一枚分浮いてゆらりと揺れます。貴金属やコインを扱う店で使われたもので、すべての分銅があるべき場所に収まっています。引き出しには分銅用のピンセットが入っていたのかもしれません。
プレートにはパリの中心地、証券取引所、競売場、両替商、貴金属やコインを扱う店が並ぶDrout通の住所が入っています。
中央のポールにネックレスのように下げてある鉛も政府なのか機関なのかが与える認証でしょう。
この手前にある丸いツマミを回すと中央のポールが持ち上がり、品物と分銅を計ることができます。
引き出し側が店の者、向こう側がお客さんというわけです。
サイズ w35cm d20cm h37cm
19世紀から20世紀初頭 パリ、フランス